Katate Masatsuka (方手雅塚)

Katate Masatsuka speaks.

私が数値流体力学の研究に興味を持ったきっかけ(拒否されたレポート)

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大学在学中にはすでに数値流体力学の分野で研究がしたいと思っていたのは覚えている。日本の大学院に入学した時に、なぜ数値流体力学の授業が無いのか教授に質問したことがある。米国の大学院へ留学したときは迷うことなく数値流体力学の研究を目指した。

最近になって、大学時代の宿題のレポートを見つけ昔の記憶が蘇った。

それは大学3年目の数値流体力学のクラスでの宿題で、ラプラス方程式をヤコビ反復法で解くという基礎的なものだった。プログラミングが苦手だった私は疑問を抱いた:「数値流体力学は本当にコンピューターで解かなければならないのか?」そして内部点4点の簡単な格子を設定し、4つの未知数を持つ連立方程式を導き出し、手計算で解いた。問題は精度だ。さっそく厳密解と比較して誤差を計算したところ、なんとそれはたったの5%だった。これは驚くべき精度だ。私は興奮してそれをレポートにまとめ、教授のところに持っていった。だが呆れられてしまい「いいからプログラムを書きなさい」と言われ、レポートを受け取ってもらえなかった。

思い返してみれば、言われたことだけをやる通常の宿題と異なり、自分で考えたアイデアを、自分で調査し、驚くべき結果を得て、それをレポートにまとめたという意味で、バカバカしいレポートかもしれないが、それは若い私にとってはとても新鮮な経験だったのだと思う。そして、この分野で何か独自のアイデアで貢献できる気がしたのかもしれない。

そのことを思い出した今、幸いなことに私は数値流体力学の研究者をやっている。ぜひともこの若い情熱と志を受け継ぎ、独自のアイデアで貢献してやりたいと思う。

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Written by Katate Masatsuka

November 3, 2018 at 3:15 pm

Posted in General, History, Research

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